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医師の健康診断業務が給与所得に

国税不服審判所で争われた事例です。医師が従事していた医療機関の健康診断業務における報酬の所得区分が争われました。
具体的には、報酬及び費用の負担については業務の対価が時間単位で定められ、健康診断の受診者数の増減や業務内容に応じて金額が変動する報酬体系になっておらず、業務に必要な器具や備品が支給されており、交通費も支払われていた。また医療機関から業務内容、従事時間及び場所の指定を受け、出勤簿等によって業務への従事状況が管理されていた。
これらを総合して判断した結果、「医師が支払いを受けた報酬は、自己の計算と危険において独立して営まれる業務から生じたものということは出来ず、医師が医療機関の指揮命令に服し、医療機関による空間的、時間的拘束を受けて行った業務ないし労務提供の対価として得たものであるから給与所得に該当する」として本件については給与所得との判断を下しました。
事業所得か給与所得かの判断において、指揮・監督・命令権の存在に加え、空間的・時間的拘束を受けているかを総合的に判断した事例といえると思います。

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