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貸付金の相続税評価

中小企業の代表が自分の会社にお金を貸し付けることはよくあることだと思います。
ではこの代表が亡くなられた時、会社に貸し付けていたお金は相続税法上どのように影響するでしょうか。原則としては貸し付けていた元本とその利息に相当する価額が相続税の評価額となり相続税の対象となります。
ではこの貸し付けていた会社の財政状態が債務超過であった場合どのような評価額になると思いますか。
東京地裁平成30年3月判決の裁判で、債務超過の会社に貸し付けていたお金の評価を0円として相続税の申告をした方がいます。
「その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」この場合に該当するときは評価額を0円として申告することが出来ます。この納税者はこの規定を利用しました。ですが裁判所は、毎期債務超過の状態が続いていることは認められるものの、相続開始時に営業を続けていたこと、債権者への返済が遅滞することがなかったこと等を理由に「その回収が不可能又は著しく困難である」とは認められないとして納税者の敗訴を決定しました。
納税者は現在控訴中ですが、債務超過の会社に貸し付けた債権の評価に対する一石を投じた裁判になることを期待しております。

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