平成27年3月に最高裁が、競馬の払戻金を雑所得と判断し外れ馬券はその必要経費であると判断した判決は我々にも衝撃でした。競馬場に落ちている外れ馬券を見る度にこの判決を思い出します。
今回ご紹介するのは平成29年9月に東京高裁が下した判決なのですが、先の最高裁平成27年3月の判決と趣旨は同様です。納税者は自身が作成した競馬予想プログラムを用いて買い目を予想し収入を得ていたのですが、この収入が未申告だったので税務署から申告するように促されます。納税者はこの収入は事業所得に該当し外れ馬券は必要経費と主張しますが、税務署は一時所得であるとしたうえで外れ馬券は必要経費に該当しないと判断したため決着は裁判で争われることになりました。
裁判所が着目した点は、納税者は自身で作成した競馬予想プログラムによってレースの予想をし、その予想結果から自身で外れ確率の高い予想を外し当選確率を高めていた点、及び高配当が望める馬券を購入し射幸性を高めていた点です。
最高裁の件では馬券の的中に着目せず網羅的に購入していたのでこの相違点が今回の裁判の論点になっています。
結果、納税者に対し「買い目の的中に着目した一般の競馬愛好家による馬券の購入と異なるところはない」と結論付け本件は一時所得に該当し、外れ馬券は必要経費に該当しないとしています。
なお敗訴した納税者は控訴を予定しているそうです。
一般の競馬愛好家による外れ馬券は必要経費にならないらしいです。じゃ競馬場に落ちている外れ馬券はほんとにゴミですね。