ニュース

納税するのは店長?それとも預金の名義人?影の支配者?

 本件は社交飲食店・・・、めんどくさいのでキャバクラにします。本件はキャバクラにおける売上が誰のものかをめぐる事案です。
 登場人物は3人です。まず実質的に店を仕切っている店長のA。次にその店長Aが日々の売上を振り込んでいた通帳の持ち主であるB。最後にAにBの口座に入金するように指示をしたC。
 このような関係性の中、キャバクラの売上は誰の売上になると思いますか?
東京地裁が示した重要な論点は次のとおりです。

・キャバクラの営業許可を受けているのはAである。
・Bの口座に入金されたお金はAが仕切るキャバクラの売上であること。
・Cがキャバクラの営業についてAに指示をしていたこと。
・AはCの指示に基づきBの口座に売上を入金していたこと。
・Bの口座を管理していたのはCであること。

このことを考慮して、東京地裁はキャバクラを実質的に支配していたのはCであるから、Cに対して売上に係る税金の支払いを命じました。
今回のケースはCが実質的に支配者である要素が強いですから、この結論は妥当だと思います。ただ世の中には実質支配者が誰なのかわからないケースが多いです。税金は実質的支配者が影に潜んでいる場合にはその支配者に課税するようになっています。特に夜の商売は支配者が誰なのか簡単にわからないようになっています。この点、細心の注意が必要だと改めて考えさせられました。

PAGE TOP