東京地裁平成30年9月判決でおもしろい事例がありました。非上場企業の役員報酬をめぐる争いです。
原告の取締役は毎月65万円の役員報酬をもらっていました。しかし体調不良により平成27年5月から平成28年6月まで入院状態が続きます。この場合、みなさんならこの取締役に対する報酬はどうしますか?取締役としての責務を全う出来ないのだから月額報酬は減額せざるを得ない。と考えられるのではないでしょうか。私も当然同意致します。もちろん被告会社も当該取締役に対して月額報酬を10万円に減額したようです。
これに納得しない取締役が会社相手に不当な減額を受けたとして減額分の報酬支払いを求めた裁判です。
これに対し裁判所は、仮に取締役の職務内容に著しい変更があり、株主総会等でこれを変更する旨の決議をしても、その取締役がその変更に同意しない限り、その取締役は報酬請求権を失わない。
という判決を下し、被告会社に原告取締役に対し523万円の支払いを命じました。
2024.09.30